ソ連時代のバイカル湖と人々の情景をめぐる旅
1)はじめに
僕がバイカル湖をはじめて訪れたのは1990年5月下旬で、東西ドイツ再統一の半年ほど前、またソビエト連邦(ソ連)が崩壊し、冷戦の終わりを告げることになる1年ほど前である。その当時のソ連関連の政治情勢の変化をふりかえると、1989年2月にソ連軍はアフガニスタンから撤退、11月にベルリンの壁崩壊、ひき続く東欧諸国での連続革命とともに、ソ連のゴルバチョフ大統領が1991年12月に、ソ連最高会議の解散を決議し、共産主義ソ連が崩壊する直前だった。