2017年ネパール通信2(写真報告)

昆明経由でカトマンズに着きました

昆明経由カトマンズ行きは、今回が初めてである。はたして、ヒマラヤ山脈をどこで越えるのか、興味はつきなかった。関西空港から昆明までの3月9日の便で一緒になった、雲南緑華食品有限公司の宮本哲也さんからは中国の環境問題について教えていただくとともに、会社の宿泊施設を利用させて頂くなど、大変お世話になりました。ここに厚くお礼申し上げます。
宮本さんの会社では、以前は農場も経営していたが、昆明でも農薬被害が著しいため、現在では農場経営はやめて、 農薬被害などの少ない山間地でキノコ、ワサビ、アロエやコーヒーなどを栽培しているとのことです。

写真1 昆明の高速道路周辺の開発風景(昆明空港へ向かう車中から撮影)。

3月10日、カトマンズに飛ぶため、昆明空港に向った。昆明でも住宅や高速道路、工場団地などの大規模な開発がいたるところで進められ(写真1)、開発地域では表土が剥がされ、高速道路や工場団地が次々に建設され(写真2)、環境問題を引き起こしているものと解釈できる。

写真2 昆明の開発地域では表土が剥がされ、高速道路が次々に建設されている(飛行機から撮影)。

昆明空港も大規模な建築物で、 近代的な空港内部は関西空港と見紛うばかりである(写真3)。

写真3 近代的な昆明空港内部は関西空港と似ているようだ。

昆明空港内には、雲南省の希少生物の保護を訴えている啓発的な展示がなされている(写真4)。

写真4 昆明空港内には雲南省の環境問題の展示がされている。

カトマンズまでの飛行機からヒマラヤを眺めるのが楽しみであったが、3月10日は、どこまでいけども厚い雲が続き、残念ながら、ヒマラヤを望むことはできなかった(写真5)。

写真5 昆明・カトマンズ間は雲また雲が分布し、ヒマラヤが隠されていた。

インド気象局の衛星画像をカトマンズで検索すると、チベット高原全体がここ数日は雲で覆われていた(写真6)ことが分かった。

写真6 チベット高原全体が雲に覆われていた(インドの気象衛星画像;2017年3月11日午前7時)。

ヒマラヤの前山であるマハバラート山脈にかかる雲ごしに、荒削りの道路工事によって、道路下の斜面が崩壊している様子がかいま見られた(写真7)。

写真7 マハバラート山地の雲に突入し、カトマンズ近づくと、道路による環境破壊が見られる。

写真8 カトマンズ盆地の大気汚染を引き起こすレンガ工場が住宅地に隣接している。

カトマンズ盆地内の住宅地域であっても、レンガ工場が稼働しており(写真8)、大気汚染を引き起こす原因になっている。

写真9 カトマンズ空港周辺のバクタプールへ通じるハイウェイ。

カトマンズ空港周辺のバクタプールへ通じるハイウェイが作られており(写真9)、空港からタクシーで街に向かうと、雷雨の中、カトマンズを取り囲む環状道路では交通渋滞が恒常的に発生していた(写真10)。

写真10 雷雨のカトマンズを取り囲む環状道路の渋滞風景。

写真11 ランタン村の支援活動を続ける貞兼綾子さん(ウツセ・ホテルにて)。

カトマンズ到着の翌日には、ランタン地域の調査のために、 現地に詳しい貞兼綾子さん(写真11)から復興状況などについて教えていただくとともに、日本ネパール協会関西支部の事務局長をしている森田剛光さん(写真12)とは今後の支部活動の課題などについて意見を交わした。

写真12 日本ネパール協会関西支部の事務局長をしている森田剛光さん(桃太郎レストランにて)。

写真13 バグマティ川浄化活動をする人たち(Kathmandu Post; 2017-03-11)。

2013年5月から始まったバグマティ 川の浄化活動が200週間目を迎えた記念行事が行われてことが地元紙に載っていた(写真13、14)。最初にカトマンズに来た1970年前後のバグマティ川は魚の住む清流だったが、現在では水質汚染に、ゴミ問題が顕著に現れている。

写真14 バグマティ川浄化活動をする人たち(Himalayan Times; March 11, 2017)

写真15 腫れ上がった3月12日早朝、カトマンズ盆地の写真を撮るハクパさん(背景がシオプリ山)。

カトマンズでお世話になっている1970年からの友人、ハクパさん(写真15)の屋上で日の出からのカトマンズ盆地の風景や、やっと見えたヒマラヤの眺めを楽しんだ。3月12日早朝の雷雨で、カトマンズ盆地北のシオプリ山の頂上付近がうっすらと雪で覆われていた(写真16)。

写真16 カトマンズ盆地北のシオプリ山の頂上付近が早朝の雷雨でうっすらと雪で覆われていた。

写真17 ガネッシュヒマールが見えた!

3月12日朝、ついに、ヒマラヤが見えた( 写真17)。ガネッシュ・ヒマールである。白銀に輝くヒマラヤをあかず眺める(写真18)。

写真18 白銀のガネッシュヒマール。

 

写真19 一昨日から今朝までの雷雨が終わり、朝日が顔を見せてくれた。

3月12日朝、久しぶりの朝日が昇る(写真19)と、雷雨で洗われ、澄んだ大気に見えていたカトマンズ盆地周辺の山々は、日が昇るに連れて、大気汚染層が厚くなり、周辺の山々は霞で見えなくなっていった(写真20)。

写真20 カトマンズ盆地周辺の山々は日中になると大気汚染層が厚くなり、霞んでしまう。

写真21 スモッグに霞むボーダナート寺院。

カトマンズ盆地の貴重な仏教寺院であるボーダナート寺院(写真21)とソエンブナート寺院(写真22)がともに大気汚染に霞んでいる。

写真22 大気汚染に霞むソエンブナート寺院。