1) はじめにー海外調査のあり方―
北海道大学低温科学研究所の杉山慎氏のグループが、5月25日夜のNHKテレビで、温暖化によるグリーンランド北部地域の氷河の融解による洪水や生態系の変化、とくに氷河末端が海に接している場合は氷河底から栄養塩を含んだ融解水が海水全体を循環させるので、海のプランクトンが増殖し、捕食者の魚や海獣とともに海鳥などの生態系が活性化するという現地調査からの視点(資料1)には感心した。従って、氷河末端が温暖化で融解・後退し、海から陸地へと縮小すると、前記の生態系を活性化させる氷河の機能が弱まってしまうというのだ。まずは、杉山さんたちのグリーンランドでの現地調査が今後ともますます実り豊かになっていくこと 続きを読む