ヒマラヤの自然史

1) はじめに
 “ヒマ・アラーヤ・バーワン”。これは私たちがカトマンズで借りていたヒマラヤ地域の研究者のための家の名であった。サンスクリット語ではヒマとは雪、アラーヤとは住居のことで、ヒマラヤとはこの二語が結合した言葉とのことである。バーワンは館を示すので、ヒマ・アラーヤ・バーワンは“ヒマラヤの館”を意味した。1975年に開設されたこの館にはヒマラヤの地質、氷河、生物、文化人類学などのいろいろの分野の研究者が滞在し、ネパール人研究者も交え、私たちは多様なヒマラヤについて議論を重ねた。そこでの私のヒマラヤを見る立場は、次のようであった。

参考文献
ヒマラヤの自然史. 1983, ヒマラヤ研究, 山と渓谷社,179-230.

ネパール東部上空から大ヒマラヤ山脈を西に望む。