「つぎの調査には,ぜひとも馬にまたがり,北部の町,ハンクまで行ってみたい」と思っていたが,「ゆったりとした馬の背に揺られながら」のかわりに由緒ある船「スクバートル号」でその町に行くことができた(毎回のことではあるが,タイト・スケジュールなので,馬によるゆったりとした調査は無理なのであろう).湖岸に隣接するハンクの町は,フブスグル湖の水位上昇の影響をうけ,湖岸道路などが水没しているのである.この20年ほどでフブスグル湖の水位は60cmも上昇したという.1年平均で30mmにもなる.そのため,町の移転が検討されているほどという.
このような大きな上昇速度のため,フブスグル湖岸周辺の牧草地や森林も水没している.深刻な事態だ.なんとか,この課題解決のための知恵をだしたい.そこで,私たちの調査テーマである「フブスグル湖の水位上昇」の原因を,当初は地球温暖化を考えたのであった.ところが,昨年度の調査結果によって,牧草地や山火事で焼けた林では日射が直接地面を温めるため,地温が高く,地下の凍土層の融解がすすんでいることが分かり,人為的な土地利用変化が地元の緊急な環境課題として浮かび上がってきた.
そこで今年度は,まずフブスグル湖岸周辺の山火事林に注目し,船を用いた調査としては8月25日にハンク(東岸北部)・ドルーン・ウール半島の南(西岸北部),8月26日にハロスニアッシャ(西岸中部)・オルンドシュ島(湖中央部)・バルザック(東岸中部),また8月27日にはハトガル(南部の町)を中心にしてサントヒル(西岸南部)・ハルザンダバト(東岸南部),8月28日にはハトガル南部のムルンへの中間地域の各地域において,森林地域・山火事地域・牧草地域の土地利用形態と地温変化を比較観測した.さらに先発隊メンバーによって8月13日~23日にツァガノール(フブスグル湖の西部地域)とハンガイ山地周辺(モンゴル中央西部地域)の広域調査もおこなった.
(2) 調査結果
まず,森林が良く保全されている地帯では日射がさえぎられるため,地温は低く,地下80cmから2mで地温が0℃となり,8月の気温の高い期間にも永久凍土が残されていることが分かった.このことは,夏に融ける永久凍土上部の活動層の水分を森林が利用していることをうかがわせる.つまり,森林が永久凍土を保存し,永久凍土は森林に水分を供給する共生関係がある可能性が高い.ところが,山火事地帯では永久凍土上面が地下3.5mになり,さらに牧草地になるとそれは地下6m以下になってしまうのである.
牧草地は当然人為的だが,山火事もその要因が大きいといわれる.というのは,漢方薬になるシカの角や香水の元になるジャコウ・ジカを追い出すため,風上から草を燃やし,風下で銃の狙いを定める狩猟(密猟)の際,森林も焼けてしまうのだという.フブスグル湖周辺はもとより,飛行機からも実感できるモンゴルの森林地帯に広がる山火事や牧草地などによる森林破壊の大きさを見るにつけ,人為的な土地利用改変の影響の大きさ・すさまじさを感じざるをえなかった.
水位上昇の課題解決のためにも,当初の地球温暖化が永久凍土層を融かすことも長期的な要因として国際的な連帯のもとに取り組まねばならないが,人為的な山火事の森林破壊や牧草地の拡大によって,地面への直達日射量が増え,地温が上昇し永久凍土を融かしていることは地元の環境課題であるので,森林保全を目的とした土地利用政策を強力に実施する必要があることが急務といえよう.
人為的な土地利用の改変と地球温暖化の進行によって,アジア内陸部の永久凍土層や氷河などが融解し,水位上昇によって町・森林・牧草地域が水没したり,ヒマラヤのように増大した湖沼がしばしば決壊し,氷河湖洪水を起こしている.もしこの傾向が進むと,21世紀には人口増加が予測されているアジアの大河流域の水資源が不足するであろう.そのために,合理的な対策を打つことが重要で,放牧地や山火事の拡大を防ぎ,地球温暖化対策とも協調して水位上昇を押さえることは,同時に,地球史の寒冷期に形成された貴重な氷としての水資源(永久凍土や氷河)の保全につながるのである.次々世代の人類が安定した水資源の供給を得ることなくしては, 21世紀の急激な人口増加が予測されるアジアにとっては,水資源問題はきわめて深刻な環境課題になることを認識する必要がある.
2)ワークショップ報告
昨年度の第1回ワークショップのテーマはフブスグル湖などの湖沼研究の現状と問題点についてであったが,今回の第2回ワークショップの目的は,モンゴルの環境教育の実態と課題を探り,将来の方向性としては日本・モンゴル両国の学生が中心となって検討し,今年の夏に予定されているフブスフル湖地域の調査にむけて協力関係を強化していくことであった.
ワークショップのプログラムは以下のとおりである.
PROGRAM OF WORKSHOP ON ENVIRONMENTAL EDUCATION IN MONGOLIA
Date: March 13 and 14, 2002
Venue: Jingiskhan Hotel, Ulaanbaatar, Mongolia
Sponsors: Biwa and Khubusugl Inter-lake Friendship Association, Japan Fund for Global Environment, University of Mongolia, Ecology Education Center
Language: Japanese, Mongolian
Program
March 13, 2002
Opening Ceremony
Prof. D.Bazardorj (Director of Ecology Education Center)
Dr. T. Kawai (National Institute for Environmental Studies)
Hon. Mr. Hanada (Japanese Ambassador)
Dr.Ts.Gantsog (General Director of MGL National University)
Workshop
1) Mongolian government policy on environmental education; by S.Banzragch (Ministry of Nature and Environment)
2) Histories and present states of the environmental problems in Japan toward the future conservation;
by Prof .Hiroyo Kotani ( read by Prof. M. Kawashima )
3) History of natural environment and our subjects for the future; by Dr. T. Kawai (National Institute for Environmental Studies)
4) Ecology educational center’s activities for the future; by Dr. D. Bazardorj ( Director of EEC ) / by Ts.
Umachimeg ( Specialist of EEC )
5) The present situation of Japanese fresh water fish fauna and the effort toward ex situ conservation; by Mr. M. Nakagawa ( Kinki University )
Field trip
Environmental class at secondary school N24 and University.
Power station N4, Water and garbage treatment facility.
March 14, 2002
6) Future problems in global environment including Mongolia; by Prof. H. Fushimi ( University of Shiga Prefecture ) and its comments by Dr. N. Batnasan ( Institute of Geography, Mongolian Academy of Sciences )
7) Environmental situation in Mongolia; by Prof. O. Shagdarsuren ( National University of Mongolia )
8) Environmental problems and environmental education – case studies in the world; Prof. M. Kawashima ( Shiga University )
9) Video show – Threatening permafrost melting in Mongolia by the global warming; produced by Nippon Hoso Kyokai (NHK).
10) The present situation of environmental education at the Mongolian National University; by Dr. Ulikpan
11) Discussion
それではモンゴルの多数の学生も参加したワークショップの内容について,プログラム番号順に概要を示す.
1)小学校・中学校の義務教育,大学などの専門教育,新聞・TVなどの報道による社会的影響を環境教育の3本立とし,環境教育の評価や国立施設の活用を図っている.現在,環境保護週間を申請中である.
2)足尾や水俣などの日本の公害史,農薬による水質汚染やPCB,また地球温暖化などに見られる課題として,環境と経済の良好な共存関係を作り上げていく必要がある.
3)1200万年の歴史をもつバイカル湖との比較古代湖研究として,標高が1000m高いフブスグル湖では,氷期における結氷期間の長期化により,珪藻の進化頻度や化学化石としてのTOC変遷などに特徴ある寒冷環境史がみられる可能性がある.
4)義務教育の内容改善指導・社会人への自然・社会・理論生態学的な専門教育や環境報道・国立公園ガイドへの指導を行うかたわら,教科書・参考書の企画・出版を実施している.
5)生物多様性の減少に関する課題とその改善のため,琵琶湖では一般市民と協力して移入生物のブラックバスや新たな環境ホルモン対策を進めているが,ビクトリア湖でのナイル・パーチ導入が100種類の魚を減少させたことから,治療より予防が大切である.
6)アジアの大河である揚子江などの源流である内陸アジアの多くの湖沼では,地球温暖化の初期には,氷河と永久凍土層が融け,湖水量は増加するが,温暖化が進行する後期には氷河と永久凍土層の縮小によって水資源の欠乏時期が到来し,深刻な環境問題を引き起こす.
7)人口250万人,人口密度1km2あたり1人以下のモンゴルでは,自然への人為的影響は少なかったが,とくに1990年代からの市場経済化によって土壌の塩害問題,建材利用や山火事による森林破壊,魚・タルバガン・シカ・ハヤブサなどの動物減少(ナキウサギは増えているとのこと),鉱山の水質汚染や石炭燃焼による大気汚染が著しくなっている.
8)環境教育の目標は,関心を高め,課題解決を行うことで( Belgrade Charter ‘75),キーワードは体験である.地域の特徴を考えた方法開発・指導者育成・支援システムを作っていくことが重要である.
9)NHKビデオ「モンゴルの森が消える―永久凍土融解の脅威」を上映した.
10)人は自然のもの,人間も動物のひとつと考えて,環境とのつりあいを良くし,調整するための理性が必要である.大学のEcology教育では, Macro-Ecology, Geo-Ecology ,Bio-Ecology ,Socio-Ecologyを中心に行い,今年第1期生が卒業し,教育分野や自然公園業務や観光関連産業などに就職する.
11)モンゴル・日本の学生による両国の環境教育・NGO活動の実態に関する意見交換を行い,クリーン・エネルギーや燃料の利用可能性について検討した後,今夏の具体的な学生協同プロイジェクトの立案にあたっては,日本側代表の梅原氏(滋賀大学)とモンゴル側代表のサンチール氏(モンゴル国立大学)がそれぞれ中心になって,両国の多くの学生に呼びかけを行うとともに,両国の学生意見を調整することになった.
帰国早々の3月17日,「Hello Mr.Fushimi? We are student of national university of Mongolia. Do you remember us? Had you good trip? Conference was very nice and friendly. We like it. Please send us e-mail. We are waiting your mail. Bye Taivnaa & Sanchir」という今回のワークショップの反響を示すメイルがサンチールさんから寄せられた.彼は,今夏に計画されている日本の学生との協同プログラムを作成していくモンゴル側の代表で,これからの意気込み・積極性が感じられた.そこで,「My Dear Messrs. Bye Taivnaa & Sanchir, I have just come back to my office today and I am very glad to have seen your mail below. I am also very much thankful for you and your colleagues to have joined the conference and talked each other for the future program of the environmental education in Mongolia. I am hoping we can talk again about the environmental issues of Lake Hovsgol in this coming summer. Please send my best regards to your friends.」との返事をおり返し送ったのである.「2度あることは,3度ある」の喩えのごとく,われわれとしては,今夏の協同プログラム後の第3回ワークショップも視点にいれていく必要があるのではなかろうか.
さらに,フィールド・トリップとして,中学校と大学での環境教育と水・ごみ処理施設を見学したが,とくに環境教育現場での教師と生徒の環境問題に関する積極性が印象的であった.また,ウランバートル地域の大気汚染源の1つになっている発電所と水質汚染・ごみ問題に関する処理施設を見学し,都市化拡大の一途を計るウランバートル地域の社会環境課題の深刻さを実感できた.ウランバートル周辺もまた,フブスグル湖地域と同様に,バイカル湖集水域の最上流部にあたるのである.
最後に,今回のワークショップへは次の24機関が参加した.モンゴル側からは,Ministry of Nature and Environment; Ministry of Education, Culture and Science; Ministry of Health; Mongolian Academy of Science; National University of Mongolian; Agricultural University of Mongolia; Mongolian Technical University; Mongolian Pedagogical University; Center of Ecology Education, National University of Mongolia; Peace Corps of USA; World Wildlife Fund; Ecology Education Association (NGO); Western Mongolian Biodiversity; Mongolian Association for Conservation of Nature and the Environment; Secondary School N24; Secondary School N97; Secondary School N40; Plant Protection Institute,また日本側からは,University of Shiga Prefecture; Shiga University; National Institute of Environment Studies; International Lake Environment Committee; Kinki University; Biwa and Khubusgul Inter-Lake Friendship Associationの各機関である.
3)発表要旨
アジア湖沼群への温暖化影響-水資源的観点から-
伏見碩二
滋賀県立大学環境科学部
はじめに
アジアの大河である黄河・揚子江・メコン河・ガンジス河・インダス川の源流の内陸アジアの山岳地域および,急激な人口増加が見こまれるそれらの河川が流れ下る海岸低地の大都市には多くの湖沼がある.地球温暖化の初期には,氷河と永久凍土層が融け,湖水量は増加する.しかし,温暖化が進行する後期には氷河と永久凍土層の縮小によって水資源の欠乏時期が到来し,乾季の水資源はとくに少なくなり,東アジアに深刻な環境問題を引き起こすと解釈できる.そこで,アジア湖沼への地球温暖化影響と21世紀の水資源問題について報告する.
ヒマラヤとチベット高原の湖沼
地球温暖化によって氷河の融解が進むので,ネパール・ヒマラヤの氷河と湖沼の変動は著しく、氷河湖の決壊による水害や泥流・地滑り現象などが発生している.このような最近の氷河と湖沼現象によって引き起こされる災害軽減のためにも,合理的な水資源利用のための新しい管理手法を構築する必要がある.
温暖化が進行するヒマラヤとチベット高原では氷河と永久凍土層が減少しているので,将来は氷河によって涵養される水資源不足に見まわれ,黄河・揚子江・メコン河・ガンジス河・インダス河流域の乾季の渇水化現象を促進する.
チベット高原では,氷河融水が連続的に供給される現在の氷河地域に淡水湖沼が形成されている.一方,塩湖の形成は氷河地域から遠いチベット高原の内陸部で進行する.塩湖化がはじまると,寒候期にも結氷しにくくなるので,冬期蒸発が加わり,蒸発量増大によってさらに濃縮過程が加速する.青海湖は農業開発のための人工的な水利用のためもあり,このような塩湖化のプロセスが進んでいる.従って,温暖化がさらに進むと考えられる21世紀には,アジア地域の河川流量は乾季においては減少すること,おとび内陸部の湖沼の塩湖化が進むので,特に注意深く有効利用する必要がある.
モンゴルのフブスグル湖
モンゴルのフブスグル湖の水位は最近の20年間に60cm上昇している.このため,周辺の森林や放牧地,湖岸の町が年々水没している.水位上昇の原因としては3つの要因が考えられる.1)湖南端部に流入する支谷からは砂や礫が運ばれるため,自然のダムが形成され,湖の流出口を堰きとめていること,2)人為的な牧草地の拡大や山火事の森林破壊によって,地面への直達日射量が増え,地温が上昇し永久凍土を融かしていること,3)地球温暖化が永久凍土層を融かすこと.
そこで,我々は次のことを提案したい.1)短期的対策としては,自然のダムを浚渫することである.我々の見積もりでは500m3の浚渫で水位を30cm下げることができる.2)中期的な対策としては,放牧地と山火事の拡大を防ぐための人為的な土地利用政策を実施することである.3)最後に,長期的な対策としては,国際的な協力のもとにフブスグル湖の自然環境モニタリングを継続することによって地球温暖化を解決する一助になることである.
琵琶湖
日本では,2030年代に平均気温が1.5 ℃から3.5℃(最近の見積もりではこの2倍程度)上昇すると報告されている.もし平均気温が1.5 ℃増大した場合は,降水量が20%増大しない限り,降雪量は平均値である10億トンに達しないであろう.平均気温が3.5℃も上昇すると,降水量が20%増大したとしても,降雪水量は著しく減少し,6億トン程度になってしまう.
降雪水量が10億トンより多いと,琵琶湖北湖深層水の年間最低溶存酸素濃度は酸素を豊富にふくむ雪解け水の密度流によって増大する.しかしながら,降雪水量が10億トンより少なくなると,溶存酸素濃度は急激に減少する.地球温暖化は琵琶湖流域の降雪水量を著しく減少させるため,琵琶湖北湖深層水の溶存酸素濃度が減少するので,琵琶湖の富栄養化がさらに促進すると解釈できる.
まとめ
地球温暖化の進行によって,アジア内陸部の氷河や永久凍土層が融解し,増大した湖沼がしばしば決壊し,氷河湖洪水を起こしている.もしこの傾向が進むと,21世紀には人口増加が予測されているアジアの大河流域の水資源が不足するであろう.
そのために,合理的な対策を打つことが重要で,放牧地や山火事の拡大を防ぎ,地球温暖化対策とも協調して水位上昇を押さえることである.地球温暖化は琵琶湖流域の降雪水量および,琵琶湖深層水の溶存酸素濃度を著しく減少させるため,琵琶湖の富栄養化がさらに促進する可能性がある.21世紀の急激な人口増加が基本的な環境課題になるアジアの湖と水資源はきわめて危機的な状態になるといえる.
Effects of Climate Warming on Asian Lakes– from View Points of Water Resources –
Fushimi Hiroji
The University of Shiga Prefecture
Introduction
There are numerous lakes in the inland mountainous regions and the coastal lowlands of Asia where the mighty rivers, such as Rivers Yellow, Yangtze, Mekong, Ganges and Indus, originate from and flow down to the megalopolises with the rapid population growth in the river mouth areas. At the first stage of the global warming, glaciers and permafrost layers melt, and the lake water increases. However, there comes the shortage period of water resources in the later stage of the global warming due to the shrinkage of glaciers and permafrost layers and this may lead to the serious environmental issues in Asia, when the water resources become scarce especially in the dry seasons. So, I would like to report the effects of global warming to Asian lakes and water resources of the 21st century.
Lakes in the Himalayas and Tibetan plateau
Due to the global warming, the recent fluctuations of glaciers and lakes in the Nepal Himalayas are extremely immense and the region faces further natural disasters including the glacial outburst flood as well as the related landslide phenomena. There is a need to create a new management system for the rational use of water resources taking into account the recent changes in glacial as well as limnological phenomena.
The Himalayas and Tibetan plateau will face the shortage of glacier-fed water resources due to the shrinkage of glacier ice bodies, and the decrease in glacial melt-water will tend to exacerbate drought phenomena in the areas of the mighty rivers, such as Rivers Yellow, Yangtze, Mekong, Ganges and Indus, especially during the dry season in areas dependent on water resources from the glaciers and permafrost layers in the Himalayas and Tibetan plateau.
In the Tibetan plateau, fresh water lakes are formed in the present glacial areas where a large amount of glacial melt water is continuously supplied, and the formation of salt lakes still continues in the inner part of the Tibetan plateau far from the present glacial areas. The formation of salt lakes is accelerated by condensation due to the large evaporation amount when salinity becomes high and the lake hardly freezes over even in the cold season. Lake Qinghai is now under this process together with the anthropogenic water use for agricultural developments. Consequently, during the 21st century when the climate is expected to warm further, discharges will be needed more carefully utilized especially during the dry season in these regions.
Lake Hovsgol in Mongolia
The water level of Lake Hovsgol in Mongolia has risen 60cm for the recent 20 years, so that the surrounding forests, pastures and the lakeshore town have been inundating year by year. Three causes of the water level rise could be noticed as follows: 1) the formation of a natural dam at the southern end of the lake caused by the sedimentation of sand and gravel which were transported from the tributary river at the time of heavy rain; 2) the thaw of permafrost around the lake where the ground temperature becomes higher with increases of the incoming radiation due to deforestation owing to the anthropogenic expansion of pasturage and fired forest ; 3) the thaw of permafrost caused by the global warming.
Here, we would like to suggest as the short-term countermeasure that the natural dam should be dredged to prevent the inundation, because it can be estimated to lower 30cm of the water level by the dredging of only 500m3. As the mid-term countermove, it is important to improve the anthropogenic land-use for preventing the expansion of pasturage and fired forest. Finally, as the long-term issue, we hope to solve the global warming with the international cooperation by monitoring the natural environmental changes of Lake Hovsgol.
Lake Biwa in Japan
It is reported that an average air temperature will increase by 1.5 to 3.5 degrees Celsius by the 2030’s. If the increase in average air temperature is 1.5 degrees Celsius, the amount of snow cover would not exceed 1 billion tons, which is the average amount of snow cover in Lake Biwa basin, unless the precipitation exceeds more than 20 %. When the average air temperature rises by 3.5 degrees Celsius, the amount of snow cover would significantly decrease to 0.6 billion tons even if the precipitation exceeds by 20 %.
When the amount of snow cover is more than 1 billion tons, the lowest dissolved oxygen concentration in the deep layer of Lake Biwa increases due to the density current of the oxygen-rich snowmelt. However, the dissolved oxygen concentration rapidly decreases, when the amount of snow cover is less than 1 billion tons. The global warming will significantly decrease the amount of snow cover in Lake Biwa basin and the dissolved oxygen concentration in the deep layer of the lake, leading to further enhancement of eutrophication in the 21st century.
Concluding remarks
Due to the progress of the global warming, glaciers and permafrost layers in the inland mountainous regions of Asia have been melting and the enlarged lakes occasionally collapse to cause the glacial lake outburst flood. If this trend continues, there will be a shortage of the water resources in the basins of the great rivers of Asia with the rapid population growth in the 21st century.
Therefore, it is important to make the rational countermeasures and improve the anthropogenic land-use for preventing the expansion of pasturage and fired forest and the water level rise in connection with the solution of global warming by the international cooperation. The global warming significantly decreases the snow amount of the Lake Biwa basin and the dissolved oxygen concentration in the deep layer of Lake Biwa, which may further enhance the eutrophication. Lakes and water resources becomes highly vulnerable in Asia where the rapid population growth is the fundamental environmental issues in this coming 21st century.