「ネパール2015年春」計画(2) アジア高地の氷河に関する国際シンポジウム
3月2日、「アジア高地の氷河に関する国際シンポジウム」がはじまりました。会場は、カトマンズでもかなり立派な Yak and Yeti ホテルです。参加者は235名、発表内容(資料1)はチベット高原周辺のヒマラヤ地域がほとんどですが、その他のアジア地域もふくまれています。
ポスターセッション1部で門田さんはモンゴルとシベリアの氷河変動をカトマンズ大学学生のソナムさんに解説していました。
朝日さんはクンブ地域周辺の1970年代からの氷河群変動を写真資料をもとにまとめ、多くの氷河が水平距離で200mほど後退していることを報告していました。
藤田さんはランタン地域のヤラ氷河の長期的変動を気温と降水量の高度変化から解析し、ビール瓶を片手に報告していました。
ICIMODのジョシさんはヤラ氷河の1950年代からの変動をまとめていました。1980年代以降の日本人の研究成果も取り込み、カトマンズ大学のリジャンさんたちとも共同研究を進めているのが頼もしく感じられました。
カトマンズ大学学生のミンマさんはクンブ地域のイムジャ氷河湖の変動を、りジャン先生のもとでまとめていました。なお彼女は、ぼくが長年お世話になっているハクパ・ギャルブさんの出身地と同じクンデ村の出身です。写真2のソナムさん同様、このシンポジウム後におこなうカトマンズ大学の講義の学生です。
今回の会議への参加にあたり、マグナスさんには大変お世話になりました(資料2)。偶然なことに、会議初日のテーブルの隣に座っていましたので、お礼がてら、矢吹さんがまとめた1970年代のネパール・ヒマラヤの氷河写真集を国際氷河学会の資料用に贈りました。
資料2
「国際氷河学会カトマンズ会議の報告原稿」を先行公開!
資料2
「国際氷河学会カトマンズ会議の報告原稿」を先行公開!
カトマンズのターメルにあるホテルからYak and Yeti ホテルまでは(心臓障害で早く歩けないので)ゆっくり歩いて20分ほどです。旧王宮前の交差点は相変わらずの混雑です。おまけに、このところの激しい雷雨で道は水たまり泥んこ状態です。
夕方になると旧王宮の林にはカラスの大群が集まってきます。かつては、オオコウモリがたくさんぶら下がっていました(写真9の左下)が、最近は姿を消しているようです。急速に進む都市化にもカラスは繁栄をきわめているが、オオコウモリは撤退を余儀なくされたようです。水・大気汚染にゴミ問題をかかえるカトマンズに住む人の将来を暗示しているのかもしれませんが、そうなるとカラスの餌もなくなり、カラスも撤退するようになればサイレント・スプリングになる心配があります。
やはり日本食が恋しいので、ターメルのレストラン桃太郎によく行きます。そこで、カツ丼や皿うどんなどをよく食べますが、今日は肉と野菜のいため汁です。ビールがほしいところですが、ノン・アルコール生活ですので、店の麦茶で我慢しています。