1) はじめに
私は1963年11月の北極海海洋調査をはじめとし、2017年3月のネパール・ヒマラヤ氷河調査までの約半世紀に38回の海外調査を行ってきた(注1)。そのほとんどはネパール・ブータン・チベットのヒマラヤ山脈周辺やモンゴル高原のアジア地域だ。その他の調査地域としては、北極・ヨーロッパ・アラスカやロシアの氷河地域の調査をわずかにしてきた。だから、私のブログ「氷河へのお誘い」(注2)を主な資料としてデータベース「氷河の世界」(注3)をまとめているが、その視点はこれまでの経験からどうしてもアジア中心、つまり地元からの視点になる。そこで、「ネパールとモンゴルでの経験に学ぶ」の視点で、「国際協力と海外調査」のあり方について考えた。続きを読む