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錦秋に山岳博物館とカトマンズ大学を想う

1) 錦秋も過ぎなんとす 大津でも黄(紅)葉が終わりかけ、雪虫が飛びかう季節になりましたので、しばらくすると、琵琶湖周辺の山々も初雪におおわれることでしょう。と思っていましたところ、12月1日夜の季節風の吹きだしで、伊吹山と比良山にも雪が降りました。大津市の瀬田川にかかる旧東海道の唐橋の大きなイチョウも今年は素晴らしい黄葉を見せてくれました(写真1左)。

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写真1 イチョウの黄葉(左;大津市瀬田唐橋、右;ポカラの国際山岳博物館の庭師オームさんと)
この季節になりますと、ポカラの国際山岳博物館(以下博物館とよびます)に植えてきたイチョウ(写真1の右)を思い出します。もともとは、料理や酒のつまみにと持ちこんだギンナンでしたが、いつの間にか芽が出ましたので、博物館を去る2010年初夏、高さ20cmほどに育ったイチョウ4本を植えてきました。そのイチョウですが、日本と同じように秋になると黄葉し、葉を落とし、春になると新緑の芽を出します。4年たった今では、当初の3倍ほどに育っていますが、大きくなるにはまだまだ数十年はかかることでしょう。
 写真2のように、博物館からはすばらしいアンナプルナ連峰が見渡せますので、イチョウの黄葉越しにヒマラヤを眺めるのがひとつの夢なのですが、古希を過ぎた身には到底かないません。せめて将来、若い方々に見ていただきたいと思っているところです。

2) 国際山岳博物館の将来課題

写真3 国際山岳博物館の関係者会議(岸記念体育館にて)

2014年11月21日に東京・原宿の岸記念体育館で、アジア山岳関係者の広島会議のために来られた博物館担当のネパール山岳協会副会長のサンタ・ラマさんを囲んで、博物館関係者の会議が行われました(写真3)。参加者は、これまで博物館にかかわってきたJICAシニア・ボランティア―初代の安藤久男さん、次の竹花晃さん、3代目の私、そして次の赤羽久多忠さんにくわえて、富山県立山カルデラ砂防博物館課長の飯田肇さんと上記広島会議の責任者で博物館を最初から支援してくださった日本山岳協会会長の神﨑忠男さんにも参加をお願いしました。(なお、神﨑さんには会議場として岸記念体育館を使用する便宜を図っていただきましたので、ここで改めて感謝します。)

会議の内容は多岐にわたりましたが、まずサンタ・ラマさんからの現状報告として、
1)年間入館者16万人ほどの入館料を3割程度値上げしたので、財政的に楽になっている。
2)博物館の収納倉庫の新設や庭などへの水道施設の充実をはかっている。
3)人事に関しては、辞めてしまった地質の学芸員の問題、さらに現在の生物の学芸員やガイド役および事務長役の課題がある。
4)博物館の展示物が汚れてきている。
5)ノルウェイやイスラエルの博物館との友好関係を進める話がある。
6)12月中旬にはチョー・オユー登頂60周年の行事が予定されている。
などの報告がありました。

そこで、博物館のさまざまな課題に関して次のような議論が進められました。
1)上記3の課題のように、博物館員としての責任感をもった人を育てることが重要である。
2)上記1のように入館者は増えてきているが、リピーターを増やすことが必要である。
3)そのためには、上記3,4を改善し、展示の更新をするとともに、博物館のホームページも更新・充実すること。
4)博物館支援のための新たなNPOを設立するのは大変なので、飯田さんたちが行っている立山エベレスト友好協会の活動の一環として、博物館員の研修や博物館で放映するビデオ作製などの支援を行う。
5)上記5と関係して、”国際”と銘うった博物館としては、多くの国との友好・姉妹関係を結ぶことがふさわしいので、立山カルデラ砂防博物館との姉妹関係をできるだけ早期に実現する(なお、サンタ・ラマさんからは博物館どうしの姉妹関係第1号にしたいとの提言がありました。)

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写真4 国際山岳博物館関係者のスナップ写真(後列中央がサンタ・ラマさん)
当日夜は、JICA を退職した牛木久雄さん(写真3の後列左から3人目)も加わって、広島会議へのネパール人出席者との懇親会が開かれました(写真4)。

3) カトマンズ大学講義に向けて
カトマンズ大学のリジャン・カヤスタさんから、現在進めているカトマンズ大学講義のホーム・ページ(写真5;http://environmentalchangesofthenepalhimalaya.weebly.com/)に彼の研究室(ヒマラヤ雪氷圏、気候と災害研究センター;Himalayan Cryoshere, Climate and Disaster Research Center)のホーム・ページ(http://www.ku.edu.np/env/index.php?go=dis)をリンクしても良い、という下記のメイルをもらいました。
その資料のお陰で、講義の受講者の学生情報などが分かりました。それによると、15人の学生のうち、外国人留学生が5人(パキスタン3人、インド2人)で、あとの10人のネパール人学生のうち3人が東ネパール・クンブ地域出身者であるとのことです。ネパール人受講者の3割ほどがシェルパ民族であることは、山岳民族のシェルパの人たちがヒマラヤの環境問題に関心をもっていることを示しているようです。温暖化でヒマラヤの氷河が急速に融けていく中で、さまざまな環境問題が起こっていますので、これからの彼らの成長と将来の活躍が楽しみです。カトマンズ大学の講義では、現実に発生している環境課題を取り上げ、受講者の学生たちとその対策を(できればフィールドでも)議論していきたいと考えているところです。
My visit to KU for 4 months‏
Date: Wed, 26 Nov 2014 17:32:58 +0545
From: rijan@ku.edu.np
To: fushimih@hotmail.co.jp
Dear Fushimi sensei,
Thanks for creating a homepage for your activities in Kathmandu University, Nepal. Your topics seems alright for me. Your past experiences of glaciological research in the Himalayas will be very much appreciated.
You can put the homepage address of HiCCDRC http://www.ku.edu.np/env/index.php?go=dis. Because your official attachment will be with this center. Soon I get official permission for your Visiting Professor Status from our university authority.
Regards,
Rijan

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Picture写真5 カトマンズ大学講義のホームページ

 また、受講生のひとり、ソナム・フティ・シェルパさん(写真6の中央)から、講義への期待が下記のように寄せられていますので、ITスペシャリストの干場悟さんともども、来春の2月から5月までのカトマンズ大学の講義準備をすすめているところです。  KU LECTURE を見る

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Picture写真6 カトマンズ大学の受講生たち(2014年春のヒマラヤ・シンポジウムにて)


Sonam Futi Sherpa
2014/10/22
Dear Fujimi San,
Namaste
I have a tihar vacation from today for a week.
We all are looking forward to attend your lecture. It would be a very good opportunity for us.
Hope to see you soon. I hope all is well with you.
Take care.
Best regards,
Sonam Futi Sherpa